夕食の支度で手が離せず、動画があれば園児が座って食べられるものの、毎回見せてよいのか迷っている場面です。

今夜の食事をどうするか

食べ物を口にする間は画面を外し、動画と偏食の因果は別に考えます。 負担を減らすには、配膳までは動画を使い、食べ始めに止める段階移行を選べます。 むせや飲み込み、食事量に心配がある家庭は、画面の練習より先に食事全体を相談できます。

安全面では食べる時間から画面を外す

食べ方への長期的な影響が未確定でも、窒息を防ぐ判断は別です。 こども家庭庁の幼児期の栄養・食生活支援ガイドは、危険な食べ方を避ける項目で、食べ物を口に入れたままテレビや本を見る「ながら食べ」をさせないよう示しています。 食事中に驚かせないこと、正しく座れているかを見ることも同じ項目に含まれます。

この注意は、動画が偏食の原因だとする主張ではありません。 食べ物を口にする間の注意を画面へ分けず、姿勢、口に入れる量、かみ方を大人が見守れる状態にするための安全策です。 消費者庁も、食べているときは姿勢を整えて食べることに集中させ、口に食べ物を入れたまま話したり遊んだりしないよう案内しています(食品による窒息・誤嚥の注意)。

動画と食べ方には関連がある

食事中の動画と食べ方の関連は報告されていますが、動画を見せたことが偏食や食事内容の変化を起こしたとは確定していません。 動画を食事の時間帯から一度に遠ざける必要はなく、食前までは使いながら、食べ始めに止める移行ができます。

食事中に画面を使う子どもでは、菓子や甘い飲み物が多く、偏食や食事拒否も多いという関連が報告されています。 韓国の就学前児を調べた研究では、食事中にテレビやスマートフォンを使う群と使わない群を、一時点の保護者回答で比べました(Hanほか)。 食事中に画面を使う群では、菓子、甘い飲み物、加工肉の摂取頻度が高く、自分で食べない、食べ物を拒むといった回答も多い結果でした。

後の食事内容まで追った研究でも、関連の一部は残りました。 オーストラリアの乳幼児から就学前児を追った研究では、食事中のテレビ利用が多いほど、後に菓子や清涼飲料などを取る頻度が高い傾向でした(Litterbachほか)。 一方、果物と野菜の摂取には一貫した関連が確認されませんでした。 この研究は開始時に過半数が三歳未満であり、このサイトが扱う年齢だけの結果ではありません。

直接観察では、関連が確認されなかった結果もあります。 米国の低所得のアフリカ系・ヒスパニック系就学前児144人について、家庭の夕食428回を録画した研究では、子どもがテレビを見た割合は、その夕食で食べたものの質やBMIの年齢調整値と関連しませんでした(O’Connorほか)。 対象集団が限られ、夕食だけの横断的な観察なので、ほかの家庭や長期の食習慣まで「影響がない」とは言えません。

動画が原因とは決められない

これらの研究は、家庭へ動画を見せるよう割り付けた実験ではありません。 偏食や食事拒否が先にあり、食卓に座ってもらうために保護者が動画を使った可能性があります。 忙しさ、食卓の場所、食品の買いやすさなど、動画と食事の両方に関わる条件も残っています。

画面を減らす介入も、食べ方の改善を一方向には示していません。 就学前児を対象にした無作為化比較試験の系統的レビューでは、画面時間を減らす働きかけによる食事関連行動の改善は一貫しませんでした(Songほか)。 これは「食事中の動画に影響がない」という結果ではなく、画面を減らすだけで食事内容まで変わるとは約束できないという境界です。

米国小児科学会は食事中を端末のない場所にするよう勧めています(デジタルメディア政策声明)。 この推奨は家庭の習慣を整える選択肢であり、動画をやめれば偏食が治るという効果の証明ではありません。

負担を増やさない試し方

追加の買い物はせず、まず動画の終了を食事の前へ移します。 大人は自動再生を切り、配膳までは動画を使っても、食べ物を子どもへ渡す前に止めます。 食事が終わり、口の中が空になってから再開する方法も選べます。

食べ始めに止めると強く不安定になる場合は、その場で画面を見せながら食べる方法へ戻さず、食べ物を口にしていない状態でいったん休みます。 次の食事では、再生を止めてから配膳する、食前の動画を短くするなど、食べる時間と画面を分けたまま負担を小さくします。 保護者が続けられない場合は練習を増やさず、園や相談先と移行方法を考えます。

画面を外した食事がすでにでき、食事量と成長も安定している家庭は、新しい練習を足す必要はありません。 こども家庭庁の支援ガイドは、好き嫌いを無理強いせず、成長曲線と食事全体で捉える考え方も示しています。

食事中の動画が、落ち着くための毎回の手段になっている場合は「幼児をスマホで落ち着かせる?」も判断材料になります。

むせやせき込み、飲み込みにくさが繰り返す、食べられる食品が極端に限られる、成長曲線の変化が気になるときは、動画の有無だけで様子を見続けません。 こども家庭庁の支援ガイドが確認項目に挙げる口腔機能、食事量、発育の状態として、園での様子を聞き、かかりつけの小児科や歯科、自治体の乳幼児健診や栄養相談へつなぎます。 声が出せない、苦しそうに呼吸する、顔色が急に青くなるなど窒息が疑われる変化があるときは、こども家庭庁の応急手当方法に沿って119番通報を頼み、直ちに異物の除去を試みます。

判断に残る限界

中心となる研究は韓国とオーストラリアの保護者調査と、米国の限定された集団の夕食観察であり、日本の幼児だけを対象にした介入結果ではありません。 テレビ中心の研究結果を、短い動画、動画の内容、大人の同席まで区別して移すこともできません。 画面を減らす介入のレビューも、食事中だけを変えた試験ではなく、方法と対象にばらつきがあります。

したがって、食事中の動画だけを偏食や食事内容の原因と決める材料は不足しています。 一方、安全の公的ガイダンスは食べ物を口にする間の「ながら食べ」を避けています。 SmartScope Familyでは、食前や食後の動画利用を責めず、食べ始めに画面を止める段階移行を選び、食事量や飲み込みに心配があれば習慣変更より相談を先にするのが妥当だと判断します。

出典