子どもが窓の外を指して「見て」と伝え、大人がどう返すか迷っている場面です。

「見て」と言われたときに返す

子どもが示したものを、一緒に見るところから始めます。 名前や特徴を一つだけ添えて、次の反応を待てます。 忙しいときは、あとで見る約束を具体的に伝えます。

定型句で語彙が伸びるとは確認されていない

指さしと言語の関係をまとめた研究では、乳幼児の指さしと言語指標に小さな関連がありました(Kirkほか)。これは観察された相関で、大人が特定の言葉を返す効果ではありません。

乳児の保護者に指さしを増やしてもらった実験では、大人の指さしは増えましたが、追跡時の受容語彙には差がありませんでした(Saloほか)。子どもが注目した対象について話す介入も、大人の話し方を変えた一方、後の言語結果は一貫していません(McGillionほか)。

どちらも主に乳児の研究で、「名前と形容詞を返せば就学前児の語彙が伸びる」という直接証拠ではありません。子どもの指さしや発話の回数を、発達の採点には使いません。

家庭では短く応じて余白を残す

子どもがバスを指したら、「バスだね」「大きいね」のどちらか一つを返し、少し待ちます。子どもが話を続ければ聞き、別の物へ移れば追いかけて質問しません。

大人がすぐ応じられないときは、「料理が終わったら見る」と戻る場面を伝えます。戻れなかった日を埋め合わせるために、言葉の数や練習時間を増やす必要はありません。

ことば、聞こえ、視線ややり取りについて心配が続く場合は、返し方だけを変えて判断せず、乳幼児健診、園、地域の相談窓口、かかりつけの医療機関へ相談します(こども家庭庁の乳幼児健診案内)。

判断に残る限界

現在の研究は乳児期が中心で、どの返し方が日本の3〜6歳児のことばを支えるかは一律に決められません。SmartScope Familyは、定型句の達成より、子どもが示した対象を共有し、応答を選べる余白を残すのが妥当だと判断します。

出典